トレンチタウンを散策する
Trench Town Walking Tour
トレンチタウン・カルチャー・ヤード・ミュージアム(Trench Town Culture Yard Museum)の見学にプラスして、トレンチタウンのファースト・ストリートからセカンド・ストリートをぐるりと一周するウォーキングツアーがパックになったプランがあります。
※トレンチタウンはキングストンのダウンタウンから歩いて行ける距離にありますが、歩いて行くのは絶対にやめてください。歩いてトレンチタウン・カルチャー・ヤード・ミュージアムに無事たどり着けることは、ほぼ無いと言えるでしょう。トレンチタウンは、タクシーなども行くのを拒否されるような場所です。
⇒ トレンチタウン・カルチャー・ヤード・ミュージアムへ行く方法
トレンチタウンの住人がツアーガイド
トレンチタウンは危険な所です。ふらりと迷い込むと、あっというまに身包みをはがされることでしょう。
しかし、トレンチタウン・カルチャー・ヤード・ミュージアムのガイドと一緒であれば、100%の安全を保証されているわけではありませんが、余程のことが無い限りトラブルに巻き込まれる事はありません。
トレンチタウンとは
1940年代に建設された、複数の住居で構成された共同住宅で、切妻屋根を持つ質素な構造でしたが、田舎から移住してきた人々にとって手頃な場所でした。しかし、荒れ朽ちることはあっても、発展には無縁の場所で、時代に取り残されたこのエリアは貧民街となり、治安も悪くなりました。
実際に、道路わきには下水が流れ、ドブの匂いが漂っています。見るからに住み心地の悪そうな住居や、裸足で駆け回る子供たちが貧しさを感じさせます。
トレンチ・タウンがボブ・マーリーを作った
危険な貧民街であるトレンチタウンに行きたがる観光客は少なくありません。その理由の大半は、ボブ・マーリーをはじめ、バニー・ウェイラー、ピーター・トッシュといったレゲエ音楽のレジェンド達が、トレンチタウンに住んでいるときにキャリアをスタートさせたからです。いわゆる「聖地巡礼」です。
トレンチタウン・カルチャー・ヤード・ミュージアムのホームページに以下のキャッチフレーズが記載されています。
“Bob Marley did not make Trench Town, Trench Town made Bob Marley”
(ボブ・マーリーがトレンチ・タウンを作ったのではなく、トレンチ・タウンがボブ・マーリーを作った)
確かに、トレンチタウンがボブ・マーリーにインスピレーションを与えたのは間違いのないことです。特に「ノー・ウーマン、ノー・クライ」(No Woman, No Cry)を作詞作曲したヴィンセント・フォード(Vincent Ford)との出会いが無ければ、ボブ・マーリーが「レゲエの神様」になることは無かったかもしれません。なぜなら、ヴィンセント・フォードは、タタと呼ばれボブのメンター(尊敬する師匠のような方)で、音楽だけでなくたくさんのことを教えてくれたからです。
トレンチタウンの様子
見るからに貧しそうに見えます。それでも通りに面している家には扉があります。路地を入っていくと、扉のない小屋のような建物が所狭しと建っているそうです。住民に刺激を与えないように、人の少ないスペースを撮影していますが、通りには夕涼みのために多くの人々が出てきて木陰に座っています。小学生から幼児ぐらいの子供たちが走り回ってました。裸足や、上半身裸の子供もたくさんいました。
販売所
誰もいないので、無人販売なのかと思っていましたが、購入意識がある感じで商品を物色しだすと、日陰にいた店主が近づいてくるそうです。
セデラ・ブッカーの住居跡
トレンチタウンのセカンドストリート19番地にあるこの家は、かつてマーリーの母親であるセデラ・ブッカーが住んでいました。ナインマイルからキングストンに出てきたときは、ボブ・マーリーやバニー・ウェイラーも住んでいたことから、トレンチタウン・カルチャー・ヤードに次いで、ジャマイカ政府によって保護遺産に指定されました。近いうちに整備され公開されるとのことです。
雑貨商店
先ほどのオープンな販売所と異なり、かなり用心深い作りになっています。セカンドストリートで2件ほど見かけました。外装はとてもカラフルでポップです。
ゲームをする男たち
熱気を感じるので「賭けてる?」と尋ねると「おそらく少額だけど」とのこと。金額が大きくなるともめごとに発展するのかも知れませんね。
露店の駄菓子屋
「子供たちが欲しがってるよ」と言って購入を促してくる。
駄菓子を購入していることは見えているはずですが、子供たちが群がってくることはありません。呼んで初めて近寄ってきます。呼んでも道の片隅に座り込んだままの子供もいます。たかって来ないのが、ちょっと意外な気がしました。
スポーツバー
店頭にスポーツバーと書いてあり、音楽が鳴り響いています。入る勇気は湧きません。
トレンチタウンを歩いて
トレンチタウンに行けるとは思っていなかったので、テンションは上がりました。殺伐とした貧民街を想像していましたが、住民の多く、特に女性は陽気で暖かい印象でした。
個人的なことですが、自分がトレンチタウンを歩くことがあるなんて、少し前まで、いやジャマイカに着いた時でさえ想像していませんでした。
散策中に、今は亡き石田長生さんのライブで、石やんファンのみんなと一緒に合唱した「No Woman, No Cry」の”Everything’s going to be alright”の歌詞が頭の中に流れて、石やんが「大丈夫やで!」と背中を叩いてくれたような気がしました。
とても貴重な体験ができたことに、感謝しております。
トレンチタウン・カルチャー・ヤード・ミュージアムへ行く方法
【トレンチタウン・カルチャーヤード見学と散策】という日本語ガイドが同行するオプショナルツアーに参加する方法があるのでご利用ください。詳しくは案内ページをご覧ください。詳しくは案内ページをご覧ください。
取材協力:Jamaica travel factory、Jamaica Tourist Board
トレンチタウン・カルチャー・ヤード・ミュージアムの場所
Trench Town Culture Yard Museum : 6 & 8 1st St, Trench Town Kingston, Jamaica
TEL Main: (876)- 803- 1509 Secondary: (876)- 859- 6741